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山の稜線

神谷美恵子の文章が好きだ。

無力感にうちひしがれるとき、私は好んで山の稜線に目をあげる。

そこに一本または数本の木が立っていればなおさらよい。

木々の間を通してみえる空は神秘的だ。その向こうには何が…との思いをさそう。

ことに夕やけの時など、山が次第に夕もやの藍に沈んでゆくと、稜線に立つ枝がくっきりとすかし模様をえがき、それを通して、この世ならぬ金色の光がまぶしく目を射る。

地上にどんな暗いものが満ちていようとも、あそこにはまだ未知なもの、未来と永遠に属する世界があると理屈なしに思われて、心に灯がともる。

非合理な「超越」への思慕も昔から人の心を支えてきたのだ。

この思慕がみたされるとき、初めて心に力が注がれる。


この文の中に出て来る『山の稜線』という言葉。

やきものを見るとき私はその口縁をそして高台まわりを『山の稜線』と重ねあわせてしまう。
心惹かれる作品は『山の稜線』が想像できるのだ。

丸山陶李さんから格別のご好意により頂いたぐいのみ。
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唐津の岸岳の土でつくり、釉薬は井戸と同じものを使われているそうだ。
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by maco4459 | 2011-09-23 10:53 | 陶芸

鬼粉引とユトリロの白

鬼粉引湯呑み/丸山陶李
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この鬼粉引は陶李さんが3月の震災に遭われたとき、お見舞いにと岐阜・熊谷陶料さんから
届けられたた荒々しい原土で轆轤引きしたもの。

陶李さんのHPで初めてこの作品を拝見したとき、『これで赤ワインを呑みたい』と思った。
『湯呑み』なのに、である。

私には粉引の白がユトリロの白に見えた。
ユトリロの白は温もりのある慈愛に満ちた色だ。
それでいて気高く気品が合って洗練されている。

陶李さんの作品は和の精神の中にどこかフランスの印象派の絵のような風情を感じる。
印象派=フランス=ワイン
単純な発想でごめんなさい。。。。

『鬼粉引きを赤ワインで育てると・・・、
赤鬼粉引きになってしまいそうな予感がするのですが、
育てていただけることを嬉しく思います』


と嬉しいコメントをいただいたので早速実行してみました。
粉引きの白にワインの紅い雫がルビーのように輝いて綺麗です072.gif
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高台からは原土の『土味』を楽しむことができます。
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by maco4459 | 2011-09-15 22:42 | 陶芸