毛利元就の三男、小早川隆景は遠謀深慮の智将として知られ、天下人秀吉に重く用いられた。
佑筆に火急の用件を書かせるとき、『急用である。静かに書け』と諭したと伝えられるが、これは隆景の慎重な性格をよく表している。
隆景が自らの人生観を語ったとされる言葉がある。
『
人生は夢の間のことなれば』
現実を冷静に見極める判断力の冴え。
隆景は天高くから俯瞰するように自らの人生を眺めていたのだろう。
秀麗な容貌、沈毅英邁な性格、宏量にして鋭い才知。
隆景があと3年長く生きていれば、果たして家康の天下はあったであろうか。