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初春の茶席

一昨年の12月23日に丸山陶李先生から
「キリシタン大名・ユスト高山右近帰天四百年記念茶事」にお招きいただいた。
先生からお預かりしている井戸茶碗「俄羅奢」で先生自らお茶を立てていただくという僥倖であった。
茶事が終わり、俄羅奢を手にしながら先生が私に『どうぞたくさん使ってあげてくださいね』
とおっしゃった言葉がずっと心に残っていた。

顔の広い秋田キリシタン史研究会の熊谷会長に秋田市内で茶道をされている方を
ご存知ありませんかと、お尋ねしたところ遠州流土崎支部の鎌田宗光先生を紹介してくださった。

話はトントン拍子に進み、熊谷会長と私で鎌田先生のお宅に伺い、俄羅奢でお茶を立てていただいた。
鎌田先生はご高齢なのだが矍鑠としたご婦人であった。
所作の折々に対象を見つめる眼光は鋭く、永年研鑽を積んできた人に見られる凛とした空気感があった。

俄羅奢を手にした鎌田先生はまず見込みを俯瞰した後、高台周りの梅花皮を凝視して指で撫でると、今度はふんわりと茶碗を包み込むように持ち上げ
『このお茶碗は良いですねえ。使えば使うほど良くなりますよ』とおっしゃった。

その場には先生のお弟子さんもいらっしゃったのだが、桐箱に書かれた陶李先生の俄羅奢の箱書きの文字や仕覆の出来栄えにも感心していた。
『茶碗を作るところから全部、丸山先生一人のお仕事なのですよ』と私が言うと、
『すごい・・・』と驚いておられた。

今年は俄羅奢を箱入り娘にせず、良い空気、良い水を吸わせてあげよう。
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by maco4459 | 2017-01-23 00:37
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