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きりしたん算用記/遠藤寛子

『また変なことやってる』
家人のあきれた顔をなるべく見ないようにして、私はこの本を自宅のプリンタでコピーしていた。
なにしろこの本の存在を知った時は絶版となっていて(最近文庫になって復刊したようだ)秋田県内の図書館にも蔵書はなかったのでお隣の岩手県の盛岡市の図書館から取り寄せてもらったのだ。

表紙から全ページをコピーしてでも手元に置いておきたい本にはめったに出会えない。
それだけの価値を私はこの本に見いだしたのだ。

遠藤寛子さんの温もりのある文章が好きだ。
この『きりしたん算用記』も遠藤さんの子供に対する温かいまなざしを感じる本である。
中村秀明さんの挿絵も遠藤さんの志を汲んだ素晴らしい絵である。
最近復刊になった本の表紙は中村さんの絵ではなくなっていた。
時代とともに変わらなければいけないことはある。
だが変えてはいけないこともあるような気がする。
この本の表紙は中村さんの絵でなければならないと私は思う。

私の好きな本はもはや絶版になっているものが多い。
良い本は装丁から書体にいたるまで本に関わるすべてのことが一つの哲学で貫かれている事。
売れる事を最優先するのではなく、読み手に伝えたい魂が籠っている本。
そんな本が好きだ。
そんな本が少なくなっていることが哀しい。
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by maco4459 | 2013-01-25 13:18 | 読書日記
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