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松韻窯、松本先生、永遠に。 

窯主 松本健司さんがこの3月に急逝されたことを案内状ではじめて知った。
享年48歳。あまりにも早すぎる旅立ちだった。
窯主のいない工房展。
これが松本先生の遺作展となってしまった。
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若いときからどこか老成した方だった。
構えの無い鷹揚なお人柄は老若男女誰からも愛されていた。
奥行きの広い考えをされる方だった。
一緒に話をしていて楽しくて、いつしか時を忘れたこともあった。
窯のメンテナンスや焼成方法などでよく相談に乗っていただいた。
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何年か前の個展のとき、手ぶらで帰るのも何だか忍びなくて、ぐい呑みを一つ買い求めたことがあった。
先生は『まあ、そんなに焦って選ばなくてもいいじゃないですか〜』とまったく商売気がなかった。
私が本当に気に入って買い求めた物でないことを見抜いていたのかも知れない。
今思えばとても失礼なことをしたような気がする。
でも先生はまったく気にしてはいないようだった。
私はそんな先生のお人柄が好きだった。
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ここで先生とお茶を飲みながら語らった、あの日の事が懐かしい。
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人はいつか必ず死ぬ。自分はそのとき何を遺せるんだろうか、
そんなことをふと思った。
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この窯で人生はじめての窯焚きを体験したのが昨日のことのようだ。
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秋田で陶芸で食べて行く。家族を養っていく。
どれほどのご苦労があったのだろうか。
とても量り知れない。
しかし、それを微塵も感じさせない春風のように穏やかな居住いだった。
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奥様の話では、その日の朝の先生は、本当にいつものように新聞を広げて横になっていたのだそうだ。
いつまでも眠っているので、ふざけているのかなと思ったらしい。
そして、そのまま永遠に帰らぬ人となった。
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引き出物の注文で4月に焚いた窯の作品の出来がよくて、次回の窯に強い意欲を持たれていたそうだ。
『本当にこれからと思っていたのに…』声を詰まらせる奥様に掛ける言葉が見つからなかった。
残された奥様とご子息のこれからの人生が幸多いものでありますように。
合掌。
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by maco4459 | 2011-05-07 21:21 | 陶芸
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