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遊べや遊べ、もっと遊べ

バイオミミクリーという言葉をご存知でしょうか?
生物模倣工学と訳すのが一般的だと思います。
同じような意味でネイチャー・テクノロジーという言葉もあります。

生物の体の構造や生態を応用して環境に負荷のかからない工業製品生み出す技術です。
以前からこの分野に興味を持っていたのですが、この分野の第一人者である東北大の石田秀輝教授が
秋田に来られたのでお話を聴いてきました。
周りはスーツ姿のビジネスマンばかり、普段着の私は場違いな感は否めませんでしたが、まあいいんじゃないかと思いました。

だって演題が『遊べや遊べ、もっと遊べ〜環境も人も豊かにする暮らしのかたち〜』ですから。



石田先生は環境問題はとても重大な問題だが眉間にしわを寄せて考えてもしょうがない。遊びの中で
心をわくわくさせるような気持ちで新たな発想を得て、みんなで楽しみながら解決していきたいと
おっしゃっていました。

粋ですね〜。
こういう考え方、私は好きです。
備忘録代わりに要点を書いてみます。

1.地球環境問題とは何か
 世の中はエコ商品で溢れ、生活者の多くが地球環境問題の重要性を認識している。しかしながら
 多くの努力にもかかわらず、結果は循環型社会の創出とは益々乖離し、劣化の一途を辿っている。
 このエコ・ジレンマの構造を理解し、大きく舵を切ることが、今まさに問われている。

2.新しい暮らしのかたち
 地球環境問題は人間活動の肥大化にある。そして人間活動を構成する最小要素がライフスタイルで
 あるとするなら、われわれはライフスタイルをどのようにして変えることができるだろうか?
 バックキャスティングによるライフスタイルから、新しい暮らし方の価値観が見えてきた。

3.自然を手本にわれわれは多くのことを学ぶことができる
 何故、われわれは循環型社会を創れないのか、この地球で、唯一完璧な循環を持つ自然のドアを
 ノックしてみよう。そこから2つのことを学ぶことができる。一つは、完璧な循環を最も小さな
 エネルギーで駆動するそのメカニズム、システム、社会性である。そして、さらに一つは大量生
 産、大量消費の原点となったイギリスでの産業革命成功の原理が自然との決別であったという事
 実である。あらためて自然観を捨てない第3次産業革命が今望まれているのである。

4.ネイチャー・テクノロジーの創出
 自然のすごさを賢く活かすネイチャー・テクノロジー、その創出システムから明るい光が見えて
 きた。無電源エアコン、汚れない表面、水の要らないお風呂、育てるキッチン、トンボからつく
 る風力発電機……ワクワクドキドキしながら生きていることを楽しむ、あたらしいテクノロジー
 のかたちが、見えてきた。

5.環境問題は制約ではなく進むべき道である
 不可避の環境問題、残された時間はもうあまり無い。われわれが地球から受けた恩恵を次世代に
 どうやって手渡すのか、今、その責任が問われているのである。その解は、環境問題を制約では
 く、進むべき方向と考えたときにはじめて見つかるのかもしれない、きっとそこでは心躍る宝の
 山を見つけることが出来ると思う。

科学者の話と言うのは総じて難しい数式や図表が出てきてとてもわかりづらいことが多いものです。
石田先生の話は科学の話に終始せず社会学、歴史学、文化人類学……究極的には哲学でした。
デカルトとかベーコンの話が出てくるのです。
しかもとてもわかりやすい。

日本文化の話になったとき「粋」という言葉がでてきました。
粋は「意気」に通じると。
そして粋の定義として、次の4点を挙げていました。
1.自然と和合し生きることを楽しむ
2.敗者を作らず競争原理が成立しない
3.足るを知る
4.自然のメタファー
このとき、私の愛読している九鬼周造の『いきの構造』が頭に浮かんだことは言うまでもありません。

自然の偉大さについても科学者らしい視点から説明がありました。
1.少しの原料を最小のエネルギーで処理して最大の効果を発揮している
2.異物や不純物、欠陥があってもそれを許容して成り立っている
3.最大の効果を産み出す「かたち」を持っている

石田先生のお話をこれからの未来を創造していく子供たちに聴かせてあげたいと思いました。


石田研のHP
by maco4459 | 2011-01-29 14:54 | 日々のこと
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