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板橋文夫トリオ at THE CATWALK

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ついこの前、MJQのライブにいったばかりなのに、また行ってしまいました。
月2回も行くなんてもちろん初めてです。

板橋文夫トリオ。これを見逃したらきっと後悔すると思ったのです。

[ピアノは鍵盤を指で弾くもの]そんな常識を、この人は見事に覆しています。
鍵盤を拳で叩く、こすりつけるはあたり前。
ピアノの内部に手をつっこんで鉄の板で弦を引っ掻く・・・。
あげくの果てには小学生が使う鍵盤ハーモニカをくわえながらピアノとの同時奏法。

聴衆はみな口をあんぐり開けて、あきれるやら驚くやら。
でも最後にはニヤリとさせられるのです。
『こんなのもアリなんだ』

もちろん板橋さんはマジメなやつもすごいのです。
In a sentimental mood を演ったときは彼がピアノを弾き始めた瞬間鳥肌がたちました。
アンニュイでゴージャスでそれでいてリリカルで。

老子の現代語訳で有名な加島祥造さんは板橋さんとピアノと詩の朗読のコラボをしたときの感動を次のように語っています。
『板橋文夫の演奏については言葉では伝えられない。内から溢れてくるものを、鍵盤を通してそのまま放出しようとする熱中と、その熱中をどこかでコントロールする直感があり、その弾奏にはタオ的な奔放さがあった。多くの模倣的ジャズ・ピアニストとは全く違っていた。絵画のほうでの棟方志功と似た芸風だった。風貌も心なし似ていた。私も久しぶりにひとりの芸術家に出会ったのを感じた。外来語でアーティストと呼ぶたぐいではない。そして彼によって私も久しぶりに自分の中の芸術家を引き出された。そこには短な間だが、音楽と詩の合体があったようだ』
※「タオと谷の思索」(加島祥造著/海竜社)より
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by maco4459 | 2009-09-30 21:08 | 日々のこと
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