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聖寵なる井戸茶碗 俄羅奢(ガラシャ)

十字架を刻み続ける陶工・丸山陶李さんの作。
井戸茶碗に魅せられた陶李さんは生涯を賭して自分の理想とする井戸茶碗を創り続けている。
その遥かなる道の途上で生まれた井戸茶碗の一つがこの俄羅奢。

技法的に井戸茶碗はとても難しい。
さらに技術だけでなく作者の深い精神性のようなものが要求される。

柳宗悦は井戸茶碗を名も無き陶工が作った雑器と定義した。
私はそうは思わない。
仮に作者は名も無き身分であったとしても、深い教養と自然への畏敬の念と神への篤い信仰があったはずだ。
それが雑器であろうはずがない。
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ガラシャといえば戦国の世に生まれ、気品に溢れ、誇り高く散った美しき花・細川ガラシャ。
そしてガラシャは陶李さんの洗礼名でもある。

この茶碗に『俄羅奢』の銘を付けた陶李さんの想い。
それは他者がとても推し量ることのできない重みを持つ。

数年前、私は恐れ多くも『ガラシャが生まれたときに、その一つをお譲り頂けないでしょうか?』
と無理なお願いをしたことがあった。
それもメールで。
今にして思えば本当に失礼なことだった。

陶李さんのHPで井戸茶碗の存在を知り、そしてその魅力に憑かれた私は、誰のものでもない、陶李さんの作った井戸茶碗が欲しかった。

日々の生活で心が折れそうになったとき、陶李さんのお書きになった言葉で幾度も救われたことがあった。
『陶は人なり』
細川ガラシャ、その人のように美しく心温かく、そして気高き心映えの陶李さんの魂の分身を手元において日々の心の支えにしたかったのだ。

それから時はさらさらと流れた。
時候のご挨拶も欠いた。
しかし陶李さんは私の願いを忘れずにいてくださった。
今年9月の丸善芸術祭に出品予定の井戸茶碗に『ガラシャ』と銘を付けようと想っていると事前にご連絡くださったのである。

迷いは無かった。
私は陶李さんにメールを送らせて頂いた。
『あの時の願いをもう一度言わせてください。ガラシャを私にお譲りいただけませんか』と。

まったく面識も無く、メールで何度かご連絡させていただいただけの氏素性の定かでない人間に、我が身の分身同然の
大切な茶碗をお譲りいただくなど常識では考えられないことだ。

実はお譲りいただくにしても私の手元にはこの茶碗にふさわしい金額を用意出来る貯えもなかった。
そのことも恥を偲んで包み隠さずお話しして相談した。
私はどうしても『ガラシャ』が欲しかったのだ。

その一途なる想いが天に届いたとしか思えなかった。
陶李さんは快諾してくださったのだ。
『ガラシャをお手元において可愛がってくださいね』と。
続けて『箱書きの字はカナになさいますか?それとも漢字がよいでしょうか?』とお聞きになった。
最近、書に関心のある私は何も考えずに『漢字でお願いします』とお願いした。
陶李さんが右手を痛めていらっしゃるのを知らずに。。。
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陶李さんは震える手で箱書きの筆を運んでくださった。

この間、私の手元にガラシャが届くまで陶李さんには格別なるご配慮をいただいた。
私の知らぬところで御心を痛めることもあったに違いない、
きっと。
ただただ頭を垂れ、深く感謝するのみである。

そして今、手元にガラシャを抱いている。
ローランサンの絵のような気品溢れる淡い栗色のボディに星屑を散りばめたような梅花皮。
初めてこの手にかき抱くみどりこのようにふわっとした軽さ。
予想に違わぬ逸品だ。
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最近、遠藤周作の小説に細川ガラシャを扱った作品があることを知った。
ガラシャを『聖寵』と書かせている。
Wikipediaで意味を調べると『神の恵み』と書いてあった。

私にとって井戸茶碗『俄羅奢』はまさに聖寵なのである。

追記
特別に美しい仕覆までつけていただきました。
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陶李さん、ありがとうございました072.gif

丸山陶李さんのブログ

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by maco4459 | 2010-10-11 23:06 | 陶芸 | Comments(0)

カワノホトリ photo review

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多くの素敵な出会いに恵まれた2日間でした。
お世話になったみなさまありがとうございました。
またいつか、どこかで(^^)v

追記
お客さんで来て下さったアルマンド山平さん、初対面なのに意気投合してしまいました。
私のコーヒーカップを気に入ってくださったのですが、既に売約済み。
『また作ったら今度、行商にいきますよ』と言ったら、『アハハ!』とウケてました。
アルマンドさん、本当に行っちゃいますよ018.gif
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by maco4459 | 2010-10-10 23:29 | 陶芸 | Comments(0)

山繭(やままゆ)

Cocoon can not move , also fly , speak , see, hear , smell,・・・・・・.
But cocoon have a lot of richness in own inside body.
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by maco4459 | 2010-10-07 19:46 | 随想 | Comments(0)