本棚を整理していたら大学時代の教科書に挟まれた答案が出てきた。
『地球力学中間試験』の100点の答案である。 一般教養課程ではともかく専門課程で100点をとるのは至難の業だ。 それまで表彰とか栄誉に無縁の人生を歩んできたから、素直に感激した。 ただ、何故それを後生大切にしまっていたかというと理由がある。 大学3年の冬休み前、コンピュータ演習の課題でプログラミングのレポートがあった。 隣の席に座っていたKは私に哀願した。 『冬休みはずっと北海道にスキーに行くんや。すまんっ、写させて!絶対バレへんから』 大阪出身のKは雪が珍しいのかスキーにはまっていた。 軽い気持ちでレポートを写させてやったのだが、担当の教官にはバレていた。 しかしレポートを写したKは単位を取り、写させてやった私は単位を落とされた。 普通は逆だと思うのだが。。。。 それが担当教官のポリシーというかプリンシパルだったのだろうか。 両者ともに落第が正当な裁きだろう。 抗議に行こうかと思ったがやめた。 その代わりに優美なる復讐をすることに決めた。 その教官の次の試験には猛勉強で臨んだ。 結果は100点だった。 今思い返してもすごい集中力だった。 4年に進級するとき、その担当教官から自分のゼミに所属しないかと誘われた。 このときmission complete. 『最高の復讐は敵から必要とされること』だからだ。 あれから15年以上時は流れた。 復讐したつもりになっていたが、実は私の方が教官の作戦にまんまとはめられたのかも知れない。 今答案を見つめ直しながらそんな気がした。 やはりこの答案は捨てずにとっておこう。
by maco4459
| 2009-09-17 00:53
| 随想
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